インコの栄養面を考えて野菜を与えたいのだけど、何を食べさせても良いのかしら?
注意することはあるかしら?
こう言った悩みに答える記事を書きたいと思います。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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野菜は身体に良いイメージがありますよね。
インコにとっても、野菜は不足しがちな栄養素を補うための大事な食材です。
じつは果物同様、野菜にもインコが食べても良い野菜と危険な野菜があります。
万が一インコが危険な野菜を食べてしまうと、中毒や病気を引き起こす危険性があります。
果物と同じく、野菜を与える際もしっかりと理解した上でインコに与えて下さいね。
インコが食べても良い野菜
まずは、インコが食べても良い野菜をご紹介します。
にんじん
Bカロテンなどの栄養価も豊富です。
生のまま食べさせることができます。
葉野菜とは違い、根菜特有のしっかりとしたかみごたえをインコが感じられ、食感を楽しめるメリットも。
色も鮮やかなので、インコが視覚からも楽しめるのでおすすめです。
にんじんはキッチンに常備しているし、料理にもよく使うからインコにも与えやすいわね。
かぼちゃ
ビタミンや食物繊維が豊富です。
かぼちゃも生のまま与えても良い野菜です。
かぼちゃは糖分も多めなので、与える量に気をつけて下さいね。
小松菜・チンゲンサイ
一年中安価で手に入りやすく、カルシウム、ビタミン、鉄分なども豊富で栄養価が高いです。
インコが好んで食べることが多く、飼育本などでも副食として代表的な野菜です。
ただし、後ほど詳しく紹介しますが小松菜やチンゲンサイはアブラナ科の野菜で、甲状腺に影響を与える物質が含まれるため、注意が必要です。
インコの健康状態に問題がなく、与える量に気をつければ影響はないと言われていますが、リスクを理解した上で与えましょう。
インコが食べると危険な野菜
ここからは、インコが食べると危険な野菜の紹介です。
どれも食卓に並ぶ身近な野菜なので、保管場所にも気をつけて下さいね。
ネギ類(ネギ、玉ねぎ、ニラ)
ネギ類には白ネギ、青ネギ、玉ねぎ、ニラが含まれます。
ネギ類に含まれる「硫化アリル・アリルプロピルジスルファイド」という成分が血液の赤血球に作用し、中毒を引き起こす危険性があります。
インコがネギ類を食べてしまうと、アリルプロピルジスルファイドが溶血作用で貧血を引き起こします。
他にも、血尿や嘔吐下痢、過呼吸などの症状を発症させる危険性があります。
この、アリルプロピルジスルファイドは加熱したり、乾燥させたりしても壊れません。
少量でも危険なため、インコが触れられる場所には置かないように注意しましょう。
キッチンでネギの再生栽培をしているから、気をつけなくちゃ…
生の豆類
生の豆類には「レクチン」と呼ばれるタンパク質が含まれており、このレクチンが中毒を引き起こす危険性があります。
レクチンは血液に含まれる赤血球に作用して、嘔吐、下痢など消化器症状を引き起こします。
しかし、このレクチンは加熱するとその毒性が失われます。
インコに与える場合は、十分に加熱処理することで与えることが可能です。
生の豆類は沸騰した状態で10分程度煮続けて下さいね。
アブラナ科の野菜
アブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という物質が含まれています。
このゴイトロゲンは、甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)を誘発する原因となることが分かっています。
甲状腺腫瘍(こうじょうせんしゅよう)
代謝や換羽の調節、成長、血中カルシウム濃度などを調節するためのホルモンを分泌する組織である甲状腺は、鳥さんの首から胸のあたりに気管をはさむようにしてあります。
甲状腺腫は、この甲状腺が腫大(※)することによって呼吸困難や肥満などの症状を起こす病気です。セキセイインコに多い疾患だといわれていますが、多くの種類の鳥で確認されています。
「呼吸が苦しそう」、「太ってきた」、「羽色が悪い」などの特徴的な症状から甲状腺腫の発生に気づくことが多いようです。
※腫大とは、さまざまな原因により細胞や臓器が腫れて、容積が大きくなる状態をいいます。
引用:みんなのどうぶつ病気大百科
特にセキセイインコは甲状腺腫瘍になりやすいので、注意が必要です。
アブラナ科の野菜には下記の野菜が該当します。
- ほうれん草
- 小松菜
- チンゲンサイ
- ブロッコリー
- キャベツ
- 芽キャベツ
- 白菜
- 大根
- かぶ
- カリフラワー
知らないと、身体に良さそうなイメージからつい与えたくなってしまう野菜ばかりね。
アブラナ科の中でも特に注意して欲しい野菜をいくつか紹介するわね。
ほうれん草
インコの副菜として青菜が推奨されますが、その中でもほうれん草はあまりインコ には与えない方が良いです。
ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれ、カルシウムの吸収を妨げます。
その結果、インコの骨格形成に影響を与える可能性も。
小松菜やチンゲンサイ同様、少量なら良いという意見もありますが、インコへの影響が心配な方は避けた方が良いでしょう。
ほうれん草はアクが強い野菜だから、インコもあまり好まない場合が多いばい!
キャベツ・芽キャベツ
キャベツは甲状腺腫瘍を誘発するゴイトロゲンや、カルシウムの吸収を妨げるシュウ酸の含有量が他の野菜よりも多いため、インコにとって危険な野菜の一つです。
特に芽キャベツはゴイトロゲンが通常のキャベツよりも極端に多く含まれます。
ブロッコリー
ブロッコリーも手軽に入手でき、栄養価が高いので与えても良いイメージですが、ゴイトロゲンが含まれます。
また、ブロッコリーは主につぼみの部分を食べており、つぼみ部分にはシュウ酸が多く含まれています。
含有量はほうれん草ほどには及びませんが、与えすぎは注意が必要なため、避けた方が良いでしょう。
インコに野菜を与える際に注意すること
インコに野菜を与える際は、あくまで副食として与えましょう。
インコが主食とするシードなど種子類のエサは炭水化物が豊富な一方で、ビタミンやミネラルが不足しがちです。
野菜はインコにとって不足しがちな栄養素を補える身近な食材ですが、注意すべき点もあります。
野菜を食べる頻度
インコは元々草食系の動物です。
特にシードが主食のインコはビタミンやミネラルが不足しがちなので、毎日野菜を与えてあげると良いでしょう。
水分を多く含む野菜は、下痢などをしやすくなるので量に気をつけましょう。
あくまで副食として、かかりつけの獣医さんとも相談しながらインコに合った適切な量を与えてあげるのが良いですよ。
野菜はよく洗い、常温で
インコに野菜を与える際は、事前にきれいな水でよく洗い、農薬を落としましょう。
特に生で野菜を食べさせる場合は、無農薬のものがおすすめです。
また、冷蔵庫で保存している野菜を与える際は、常温に戻してから与えて下さいね。
野菜は新鮮なものを
インコに与える野菜は常に新鮮なものを与えてあげて下さいね。
残してもケージ内にそのままにせず、必ず毎日取り替えてあげましょう。
「ベジタブルポット」という、与えたい野菜を差し込んでケージ内に設置できる便利なものもあります。
水を入れて野菜を置けるので、新鮮な状態で与えることができますよ。
まとめ
- 野菜はインコが足りない栄養素を補う副食としておすすめ
- 野菜の中にはインコが食べても良い野菜と危険な野菜がある
- ネギ類は絶対にインコが口にしないように気を付ける
- アブラナ科の野菜は種類も多いので注意する
- 野菜を与えるときは常温で新鮮なものを与える
- 野菜に含まれる水分量に注意する
野菜には栄養素がたくさん含まれており、健康のためにも様々な種類を与えたくなります。
インコにとって危険な野菜をしっかりと理解して、インコの健康面をサポートしてあげてくださいね。
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