・インコがかかりやすい病気ってどんな病気?
・かかりやすい病気の症状が知りたい
こういった悩みに応える記事を書きたいと思います。
インコにはかかりやすい病気がいくつかあり、日々の観察がとても大切です。
インコの病気について全く知識がなく病気のサインを見逃してしまうと最悪インコが亡くなってしまいます。
そのようなことにならないために、この記事ではインコがかかりやすい病気を10選紹介します。
症状や予防法も紹介していますので、インコのサインを見逃さないようにしましょう。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコがかかりやすい病気10選
- そのう炎
- メガバクテリア症(AGY症)
- ビタミンB1欠乏症
- ビタミンD欠乏症
- クラミジア症
- 鼻炎
- 精巣腫瘍
- 毛引き症 自咬症
- 卵詰まり
- 疥癬症
インコがかかりやすい病気は上記の10個です。
各病気の症状と予防方法を詳しく解説していきます。
少しでも様子が違うと感じる場合は、かかりつけの病院で診察してもらいましょう。
そのう炎
そのう炎とは食道と胃をつなぐそのうに細菌や真菌(カビ)が異常繁殖し炎症することで起こる病気です。
そのうは食べたものを一時的に貯めておく場所で、鳥類には必ずあります。
元気な子でもそのうには細菌がおり、異常繁殖しなければそのう炎になることはありません。
人間の食べ物や異物を飲み込んでしまった場合もそのう炎になります。
人間の食べ物やインコが飲み込める小さいものは置かないようにしましょう。
症状
首を振りながら餌や粘液性の液体を吐いたり、下痢や頻繁なあくび、口から嫌な臭いが出る、水を必要以上に飲むなどの症状が見られます。
日頃から便などの健康チェックを行いましょう。
予防法
人の食べ物を与えないようにしましょう。
特に放鳥中は食べカスや異物を飲み込んでしまう可能性があります。
放鳥する部屋に食べカスや誤飲しやすい小さなものはないかチェックすると共に、放鳥中は作業をせずしっかりと見守ってください。
健康診断項目の1つに「そのう液検査」を行なっている動物病院もありますので、気になる方はかかりつけ医に聞いてみましょう。
メガバクテリア症(AGY症)
メガバクテリア症(AGY症)とは、多くの鳥類の胃に生息している微生物、メガバクテリアが原因で起こる病気です。
このメガバクテリアが近年カビの仲間であることがわかりました。
しかし、多くの鳥類の胃に生息しているからといって全てのインコがメガバクテリア症を発症するわけではありません。
換羽期や環境の変化などストレスなどで抵抗力が落ちると発症しやすくなるため、個体の体力や免疫力に左右される病気です。
症状
主な症状は、胃炎や食欲低下、元気がないなどです。
嘔吐を起こす場合もあります。
メガバクテリア症の感染により胃腸の消化能力が低下するため、食べた種子などが消化されずそのまま排泄され、食べているにも関わらず痩せていってしまいます。
予防法
現在は予防薬などがないため、メガバクテリア症に感染した鳥と接触しないこと、健康状態のチェックが重要です。
できる限りストレスを与えないよう、寒さや換羽期の栄養不足などに気をつけましょう。
親鳥から吐き戻しによって餌をもらったり、オスの求愛行動である吐き戻しから感染する場合もあります。
新しく鳥を迎える場合は、健康診断を済ませてから接触させるようにしましょう。
ビタミンB1欠乏症
ビタミンB1欠乏症とは名前の通り、ビタミンB1が不足して起こる病気です。
通常ビタミンB1は穀類に含まれているため不足しません。
しかし、アワ玉のみの挿し餌で飼育されている幼鳥や巣立ちの時期に運動量が増えることから発症するケースがあります。
アワ玉を作る過程でほとんど減少してしまうため、アワ玉のみの餌だとビタミンB1が不足してしまいます。
症状
脚の痺れや筋肉の痛みから脚をひきづって歩くようになります。
最初は片脚だけだったのが両脚へと進行し、移動する時に嘴(くちばし)や羽根を使うようになることも。
最悪の場合、呼吸困難や脳神経障害により痙攣(けいれん)を起こして死亡するケースもありますので注意が必要です。
予防法
ビタミンB1が豊富な餌を与えるようにしましょう。幼若鳥用のペレットやパウダーフードがおすすめです。
ビタミンD欠乏症
ビタミンD3が不足することによりカルシウムが吸収できなくなる病気です。
ビタミンD3は腸管、骨、腎臓に作用してカルシウムやリンの濃度調整をする役割を果たしています。
紫外線によって体内で作られるため、日光浴不足になりやすい冬場などに発生率が高まる病気です。
症状
ビタミンD欠乏症を発症すると体内のカルシウムが不足し、卵詰まりや殻の軟化、骨折や骨粗しょう症などを引き起こします。
ビタミンDはカルシウムの吸収に欠かせない栄養素です。
カルシウムには心臓や筋肉、神経の機能を正常に保つ役割もあるため、ビタミンDが不足することによって多くの病気を発症してしまう可能性があります。
予防法
ビタミンDを多く含む食事やサプリメントに加え、日光浴をさせましょう。
家で日光浴をさせる場合は最低でも1日15分、ガラス越しで日光浴をさせる場合は30分を目安に行なってください。
クラミジア症
クラミジア症はクラミジア・シッタシ(真正細菌)の感染によって発症する病気です。
鳥だけでなく人にも感染します。
感染経路は飛沫、接触、捕食によって広がり、例としてクラミジア症に感染している鳥の糞便や鼻水などの分泌液、羽毛ダストなどがあげられます。
クラミジア症はオウム病とも言われています。
症状
クラミジア症を発症すると体温低下や震え、昏睡、結膜炎、呼吸困難、鼻炎、副鼻腔炎、脱水、便の変色など様々な症状が見られます。
また、人に感染した場合は肺炎や気管支炎などの呼吸器症状や肝障害を発症するため注意が必要です。
予防法
クラミジア症の予防法は、糞便の速やかな処理と飼育環境を清潔にすることが重要です。
清潔な環境づくりに加えて、定期的に健康診断を受けることでも予防につながります。
また、鳥から人へも感染するため、鳥に触れた後や糞便の処理をした後などは手洗い消毒を習慣づけましょう。
鼻炎(風邪)
鼻炎はくしゃみや鼻水が出る鼻腔粘膜の炎症です。
インコの免疫力が下がり細菌感染することで起こるケースが多くあります。
その他にも真菌(カビ)やアレルギー、乾燥、ストレスなどが原因として挙げられます。
症状
鼻炎になると何度もくしゃみをし、鼻水が頻繁に出ます。
その他にも咳や羽を膨らませて動かなくなるケースがありますので、いつもと様子が違う場合は、かかりつけの病院に連れて行きましょう。
予防法
栄養のある餌をしっかりと与えて、温度管理をしましょう。
温度管理は、インコがストレスを感じないためにとても重要なポイントです。
ストレスを与えないことで免疫力の低下を防げます。
インコにとってストレスは様々な病気の原因となります。
快適に過ごせるような環境づくりをしましょう。
精巣腫瘍
精巣腫瘍は名前の通り、精巣に腫瘍ができる病気です。
3歳以上のセキセイインコに多くみられます。
精巣が高温に長期間さらされると腫瘍になりやすいと考えられているため、発情状態が続くと腫瘍化しやすくなります。
そのため、発情過多にならないよう注意が必要です。
症状
精巣腫瘍の初期は、ほとんど症状が見られないのが特徴です。
しかし、鼻にあるロウ膜の色の変化や発情方が見られるケースがあります。
段々と病気が進行すると腫瘍が大きくなり他の臓器を圧迫するようになり、排便困難や呼吸困難が見られるように。
また、お腹が膨らんでいるのが見てわかるようになります。
予防法
発情過多にならないよう注意が必要です。
室内の飼育環境では、慢性的に発情を繰り返す「持続発情」を起こすケースが多くなっています。
室内だと季節の変化がなく、昼と夜の区別がつきにくくなることから体が発情期を認識できず、性ホルモンのかく乱がおきるのです。
発情過多にならないよう、冬は寒くて夏は暑い、昼は明るく夜は暗いという自然と同じ環境で飼育するようにしましょう。
発情対象となるものを置かないことも大切な予防です。
おもちゃや鏡が発情対象となる場合もあります。
頻繁につついたり、吐き戻しをしている場合は、カゴから取り除きましょう。
毛引き症と自咬症
毛引き症は自分で羽根を引き抜いてしまうことです。
また自咬症とは、羽根だけでなく地肌まで傷つけてしまうことを言います。
最初は毛引き症から始まり、嘴の届かない顔周辺以外の体のあらゆる部位の羽根を抜いてしまいます。
地肌が見えるまで抜いてしまうケースもあり、さらに悪化すると自咬症へと発展するのです。
特にコザクラインコやボタンインコ、オカメインコなど知能が高くて人によくなつくインコに多く見られます。
毛引き症はダニや寄生虫が原因の場合もあります。
症状
毛引き症では、一般的に嘴が届く範囲で羽根の引き抜きが見られます。
自咬症では皮膚を傷つけるため出血します。
毛引き症の場合は、顔まわりや頭部の羽根は綺麗に生え揃っているのが特徴です。
頭部に脱毛が見られる場合は、別の病気が考えられます。
予防法
栄養不足にならないよう食事管理に気をつける他、ダニ等の感染が起こらないようにインコが生活するケージや部屋をキレイにしましょう。
また、飼い主への強い依存や、かまってもらえないストレスが原因で毛引き症が起こる場合があります。
インコにストレスがたまらないようにおもちゃを与える、相性の悪い鳥とケージを分けるなど、原因に応じて対策をしましょう。
かまってもらえないストレスについては、飼い主が好きすぎるがために起こるストレスです。1時間のながら放鳥より10分でいいのでしっかりインコと遊ぶ、向き合うことでインコは満たされます。
卵詰まり
卵詰まりとは、産卵されずにお腹に卵が詰まってしまう病気です。
インコは通常、卵がお腹にできてから24時間以内に産卵されます。
しかし、24時間経っても産卵されない場合は、必ずかかりつけ医に行って診てもらいましょう。
卵詰まりが長引くと突然死する可能性もあります。
症状
お腹からお尻が膨らんでいる、卵が見えている、食欲不振などが見られます。
他にも元気がなくうずくまっていたり、いきむ仕草が多いことや水を多く飲むなどが挙げられます。
予防法
ボレー粉でカルシウムをしっかりと与え、日光浴や運動をさせましょう。
カルシウム不足により、卵殻(らんかく)の軟化や産卵過多などが卵詰まりの原因となります。
日光浴や運動をしっかりとさせることで、卵殻(らんかく)の軟化を防げます。
疥癬症
疥癬症はダニであるトリヒゼンダニが引き起こす皮膚病です。
トリヒゼンダニは鳥の体を離れると長く生きていられず、鳥同士が接触することでうつります。
ダニの大きさは1mm以下でとても小さく、肉眼で見られません。
そのため、顕微鏡検査で成虫、卵を見つけて診断されます。
症状
痒みが強く、最初は口角や脚に皮膚炎が出るケースが多くあります。
嘴や爪が変形も見られ、重度の場合は衰弱ししてしまう可能性のある病気です。
駆虫薬を使用しないと治らない病気ですので、少しでも皮膚や脚に異変を感じたら急いで病院に行きましょう。
予防法
インコが生活する部屋やケージを清潔にしましょう。
新しい鳥をお迎えする際は、疥癬の感染がないか健康診断を受けてからお迎えすると安心です。
疥癬症の原因となるトリヒゼンダニは人にはうつりません。
まとめ
インコはさまざまな病気にかかりやすいため、日々の健康観察や飼育環境を整えることが大切です。
少しでも様子がおかしいと思ったら、かかりつけ医に行って診てもらいましょう。
また、定期的に健康診断を受けておくと安心です。
この記事が少しでも参考になると嬉しいです。
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