寒くなってくる冬の季節になると、そろそろインコたちに保温の準備をしなくてはと思っている方も多いと思います。
なぜインコに保温が必要なのでしょうか?
本に書かれているから?
寒そうにしているから?
人間も寒いからインコも寒い?
我が家には17羽のインコがいますが、保温は一切していません。
保温をしなくても病気一つせずにとても元気です。保温をしなくても元気な理由をお話します。

私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコの保温について

インコの飼育本に書かれていること
インコの飼育本は様々な出版社から出ています。
どの飼育本を見ても「インコは寒がりなので冬は保温をしてあげましょう」と書かれています。
理由は、日本の冬は降水量が少なく、寒気に覆われ寒い日がとても長く続く傾向があります。そんな日本の冬の寒さにさらされることで、インコの免疫力が落ち体調を崩すと言われています。
インコは体調を崩すと一気に悪化する傾向があり、体調が回復するまでには時間がかかります。
確かに、寒そうにボファっと膨らんでいたら、こりゃ大変だ−!ってなりますよね。
インコにとって適切な温度は、15度〜32度と飼育本では書かれています。
インコは寒さに弱い?
インコが寒さに弱いと言われる理由はなぜ?
多くのインコは温かい南半球で生息しています。
- セキセイインコ、オカメインコは『オーストラリアの砂漠地帯』
- ウロコインコ類、コンゴウインコ類は『南米』

だから寒い日本の冬には保温が必要なんじゃないの?

確かに日本の冬はインコにとって、とても過酷な寒さと言えます。
しかし、オーストラリアには夏と冬があります。
夏は35度以上ととても暑いですが、冬は5度以下になることもありとても寒いんです。
しかも、生息している砂漠地帯は雨が何年も降らなかったり、その逆に数ヶ月も雨が続いたりと気候はとても不安定です。
ウロコインコは南米の標高300m〜1800mあたりの地域に住んでいますが、なかには3000m級の山林に暮らしている種類もいます。
気候は暑い時期で最高気温が30度前後、寒い時期で平均の最低気温は15度ほどです。
セキセイインコやオカメインコは、野生の暮らしをみても暑さや寒さに強いと言われています。
南米に住むインコに関しては、日本の冬は寒すぎるかもしれせん。
インコに過度な保温は逆効果

インコの多くは室内飼い
日本の冬は確かにインコにとって寒いと思います。
ですが、多くのインコは家族の一員のように室内で飼育されています。
室内には暖房がはいり、人もインコもとても過ごしやすい環境になっていますよね。
なのに、さらにインコ専用の保温器具をつけるとなると、ケージの中は真夏ですかっていうくらいの温度になっていませんか?
適度な寒さも必要な理由
いくら寒いからといって、24時間同じ温度の中(暖かい室内)で生活させるのはインコにとって良いことばかりではありません。
インコにとって気温の変化は、命に直結するかもしれない大事なことです。
- 適切な時期に換羽ができない
- 不適切な時期の発情を誘発する
- 病気になりやすい
その理由として
適切な時期に換羽ができない
インコには季節の変わり目などに換羽という羽が生え変わる時期があります。
インコが暑さや寒さから身を守る、環境に適応するために必要な羽の交換
温度が一定に保たれていることにより一年中換羽が起こるということがあります。
換羽の時期は肝臓がフル稼働しているため、長引く換羽は肝臓に負担がかかります。
不適切な時期の発情を誘発する
暖かい部屋に美味しいご飯、インコにとっては好条件です。
自然界で暮らすインコは餌を探し求めて、毎日飛び回っています。餌が食べれない日もあります。
地上に降りて水を飲むのは命がけのことです。いつ自分が餌になるかわかりません。
逆に、飼育されているインコは、いつでも美味しい餌があり3時のおやつ付き。
気温はとてもあたたかく子育てにはもってこいです。
食べられる心配もないので産み放題!なんて思っているかもしれません
セキセイインコは発情しやすく、無精卵を次々と産む可能性があります。
不必要な発情はインコの体力を奪うし、よくありません。
病気になりやすい
自然界で過酷な生活をしているインコは、とても元気で健康です。そしてよく食べます。
寒さに耐えられるように、脂肪分を蓄え体を強くします。強くなった体は免疫力が上がり病気にも耐えられます。
一方、温度変化のない環境でずっと過ごしていると、体を強くする必要がないため免疫力が弱り、病気にかかりやすくなります。
そして、あまり運動もせず脂肪分の多い餌を食べることで肥満になり、さらに病気へのリスクが高まります。
【体験談】我が家のインコは真冬でも子育て中でも保温なし

我が家のインコは保温をしていません。
インコ専用の部屋で室内飼育をしていますが、換気と健康対策で窓は開けっ放しです。
真冬の雪が降る寒い日でも開けています。その部屋だけ冷蔵庫のようになっていますがインコたちはとても元気です。
水浴びが大好きなウロコインコたちは、冷蔵庫のような部屋の中で毎朝水浴びをしています。そのあとブルブル震えていますが、念入りに毛づくろいをしてすっきり顔です。
その部屋で繁殖もしますが、抱卵中だろうが雛が生まれようが窓は開けっ放しで保温はしません。
なので、両親が必死に子育てをします。雛も必死に餌をもらっています。
だからなのか、雛の毛の生えるスピードが早いような気もします。
それに、保温器具を使うと火傷や火事の心配もありますし、保温器具は結構なお値段ですよね。
保温せずにインコたちが元気であれば、それが一番です!
屋外で飼育しているインコブリーダもいる
私が保温なしで育てようと思ったのは、信頼するブリーダーの方の飼育方法から学びました。
「寒い日の朝、いつものように様子を見に行くと、飲み水がすべて凍っていて水が飲めないから交換したらまっさきに水浴びした」
「雪が降る中、元気に子育てしてるよ」
なんてことも聞きます。
だからなのか、そこのインコは体格もよく羽も病気知らずです。
我が家のインコも、そこのスパルタ出身の子達ですので、過保護にするわけにはいきせん。
日本の冬の中でも病気知らずでとっても元気です。
保温が必要なインコ
今までお話したのは、あくまでも健康な個体の話です。
やはり保温が必要なインコもいますので、状況をきちんと判断されることは大切です。
こんなときは保温が必要
- 小さな雛
- 持病がある
- 病気が治ったばかり
- 体調が悪そうなとき
- 老鳥で体温調節がむずかしい
おわりに
今回は、インコの保温が必ずしも必要ではないというお話でした。
保温が必要か不必要かは、個人の考え方もあり固体の状態にもよります。
インコと幸せに暮らしていくためには、その子にあった飼育方法が一番です。
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