・インコは風邪をひくの?
・インコの風邪の予防方法を知りたい
・インコの風邪以外にかかりやすい病気はある?
こういった悩みに答える記事を書きたいと思います。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコはとてもデリケートな生き物です。
一度、体調を崩すと立て直すのが難しいため早めの通院、治療、予防が大切です。
この記事ではインコが風邪をひいた時の症状や予防方法、その他にもかかりやすい病気をご紹介いたします。
【インコの風邪】風邪を引いたらどんな症状が出る?
最近、インコの様子がいつもと違うけど、インコも風邪をひくの?
もちろん!
私たち同様にインコも風邪をひくよ。
代表的な症状を紹介するね。
くしゃみ
インコのくしゃみは、羽をパタパタさせたときに舞ったホコリを吸い込んでしまい起こることがほとんどです。
健康なインコであれば頻繁に繰り返すくしゃみや連続したくしゃみ、くしゃみをして鼻水が出ることはありません。
頻繁に連続したくしゃみをする場合やくしゃみをした時に鼻水が出る場合は、インコが元気にしていても風邪をひいている可能性が高いので病院を受診しましょう。
鼻水
くしゃみをして鼻水が出ている場合、鼻水が固まり鼻が詰まってしまうこともあります。
インコは普段、人間同様に口を閉じて鼻呼吸をしますので基本的に呼吸音は聞こえません。
苦しい時は口呼吸になったり、呼吸をするときに「ズーズー」や「ゼーゼー」と音がします。
鼻の周りが湿っている、鼻の羽が抜けていることもありますのでよくチェックしてあげてください。
寒気
寒い時は羽を膨らませて丸くなり、眠っている時間が長くなります。
健康なインコに保温は必要ありませんが、体調が悪く寒がっている時は保温をしてあげましょう。
くしゃみ、鼻水、寒気など少しでもいつもと様子が違う場合はすぐに病院を受診してくださいね。
インコが風邪をひかないための予防方法
インコが風邪をひかないように普段からできる予防方法はあるのかな?
鳥には予防接種がなく、気づいたときには病状が進行していることも珍しくありません。
インコの健康を守るためには治療よりも日々の予防が大切なのです。
定期的に健康診断を受ける
飼育し始めて2、3日以内に元気な状態でも一度、健康診断に行きましょう。
本来インコは捕食される動物なので、天敵に目をつけられないように体の不調を隠す習性があります。
そのため、「あれ?様子がおかしいかも」と思ったときには病状が深刻になっているケースもあるのです。
その後も年2回のサイクルで健康診断を受けると安心ですよ。
インコは少しの環境の変化でもストレスを感じるとてもデリケートな生き物です。
健康診断に連れて行く時はなるべく普段と同じ飼育環境にし、ケージにバスタオルなどをかけ外が見えないようにしてあげましょう。
元気そうに見えても病気になっている可能性もあるんだ。
でも、定期的に検査をしてもらうと安心だね。
ケージの中を毎日清潔にし、インコが過ごしやすい環境をつくる
ケージの中が汚れているとホコリで咳やくしゃみが出ます。
ケージだけでなくインコが生活している部屋もこまめな掃除や換気をしてほこりをためないことが大切です。
そして、ケージ内を掃除する時に糞便のチェックも一緒にしましょう。
健康なインコの糞は水分が少なく、コロンとした固形のため、水っぽい糞便の場合は要注意です。
また、インコにはトイレを覚える習性がないため、餌入れや飲み水の中に糞が落ちてしまうこともあります。
餌入れや飲み水が汚れていないかこまめにチェックしてあげてください。
私たち人間と同じで生活環境はとっても大事。
まずは清潔なケージで気持ちよく過ごせるようにしてあげてください。
バランスのよい食事を与える
やはり健康な体づくりは食事から。
これは人間も鳥も変わりません。
インコの主食はシードど呼ばれる穀物の種子とペレットフードと呼ばれるインコの総合栄養食です。
シードを好むインコが多いですが、総合栄養食と言われるだけあってペレットの方が栄養価は高いです。
インコの健康のためにシードとペレットをセットで与えてください。
どうしてもペレットを食べない場合は、ビタミン剤やサプリメントで栄養を補ってあげてください。
また、ご飯の減り具合もチェックしましょう。
「餌入れの餌はきちんと減っているか」「床に餌が落ちていないか」「合わせて体重が減っていないか」を確認することも大切です。
「餌を全く食べていない」「餌は食べているのに体重が減っている」場合は大きな病気の可能性がありますのですぐに病院を受診しましょう。
鳥も体調が悪いと食欲がなくなるんだね。
毎日、しっかりチェックしないと。
規則正しい生活を心がける
人間の生活リズムに合わせて、あまりにも夜更かしをさせると寝不足や発情を促してしまいます。
起床から就寝まで毎日決まったサイクルで生活することが理想です。
そして適度に運動や日光浴をさせ、ストレス解消や運動不足の解消をしてあげましょう。
ストレス解消や運動不足の解消方法として水浴びや放鳥があります。
水浴びや放鳥も時間を決めて行うと生活リズムが整いますよ。
インコの風邪以外にもよくある病気と症状
ここまでは風邪の代表的な症状と予防方法をお伝えしました。
しかし、インコがかかる病気は風邪の症状だけではありません。
代表的な病気と主な症状をご紹介いたします。
そ嚢炎(そのうえん)
症状 | 餌や粘液性の液体を広範囲に首を横に振りながら吐く。 下痢、あくびを頻繁にする。 |
原因 | 異物や刺激物を飲み込んでしまったり、そのうで細菌や寄生虫が増殖し、炎症が起きる。 |
治療方法 | 抗生剤や抗真菌剤(こうしんきんざい)を使用する。 |
予防方法 | 人間の食べ物を与えない。常に新鮮な餌を与える。 |
食道が部分的に拡張して餌を一時的に貯めておける気管のこと
クラミジア
症状 | ボサボサなど羽の異常、体温低下、震え、昏睡、結膜炎、呼吸困難、鼻炎、衰弱、脱水、水様便などがあるが、感染していても症状が出ない場合もある。 |
原因 | 「クラミジア・シッタシ」という細菌に感染したオウムやインコのフンなどを吸い込むことで起こる病気。 |
治療方法 | 抗生物質の投与、ビタミン・たんぱく質の強化等の栄養療法や対症療法だが完治には30日以上の長期治療が必要。 |
予防方法 | インコの生活環境を清潔にする |
疥癬(かいせん)
症状 | かゆみ、クチバシや爪の変形、皮膚炎。 |
原因 | ダニ。 |
治療方法 | 病院で診てもらい、症状に合わせた薬(駆虫薬)をもらう。 |
予防方法 | インコの生活環境を清潔にすることで予防できる。 |
卵詰まり
症状 | 腹部〜お尻が膨らむ、卵が見えている、食欲不振、元気がなくなりうずくまっている、いきむ仕草を多くする、水を多く飲む。 |
原因 | カルシウム不足による卵殻の軟化、産卵過多、親鳥の未成熟または高齢、日光不足、寒冷、運動不足など。 |
治療方法 | たとえ元気でも様子見をせずに発見次第、病院へ連れて行きましょう。 卵詰まりを起こすと排泄も一切できなくなるので危険です。 |
予防方法 | カルシウム(ボレー粉)、ビタミン(フルーツや野菜など)をしっかり与え、日光や運動をしっかりさせましょう。 日光浴や運動で卵の殻が柔らかくなるのを防げます。 |
メガバクテリア症(=AGY、マクロラブダス症)
症状 | 嘔吐、未消化便、下痢、血便、食欲低下、体重減少など。 健康な鳥では症状が出ないこともあります。 |
原因 | 多くの鳥類の胃に生息している微生物、マクロラブダス・オルニトガスターという菌が胃に感染するために症状を起こします。一般的に、親鳥が雛鳥に給餌(きゅうじ)する際に吐き戻した食物の中に存在する菌を摂取することによって感染します。その他にも感染しているオウムやインコのフンなどを吸い込むことで起こる病気です。 |
治療方法 | 抗真菌剤(こうしんきんざい)の投与、症状に応じて吐き気止めや抗生物質なども併用します。糞便中のメガバクテリアがなくなっても、胃粘膜内に菌が残っていることも多いため、長期間の抗真菌剤(こうしんきんざい)の投与が必要です。 |
予防方法 | メガバクテリア症を予防する方法はありませんが、定期的に健康診断を受け、メガバクテリアの早期発見、早期治療が大切です。 症状が出ていなくてもメガバクテリアが見つかったら投薬することが大切です。 |
この他にもビタミンB1欠乏症(けつぼうしょう)やマイコプラズマ病など、インコがかかりやすい病気はたくさんあるよ。
少しでもいつもと違うことがあれば様子見をせず、病院へ連れていってあげてね。
毎日、こまめにインコの様子を見てあげることが本当に大切なんだね。
まとめ
- 主な風邪の症状はくしゃみ、鼻水、寒気
- 予防方法は定期的に健康診断を受け、インコの生活環境を整える
- 症状に当てはまらなくても、少しでも異変を感じたら病院を受診する
予防方法と聞くと難しく聞こえてしまいますが、私たち人間と同じく生活環境を整え、規則正しい生活を送ることが大切です。
インコには犬や猫のように予防接種がないので、定期的に健康診断を受けることをオススメします。
インコは一見、元気そうに見えても体調不良を隠す習性があります。
インコの体調不良に気づけるのは毎日、一緒に生活をしている飼い主さんです。
お世話をする中で少しでも異変を感じたら、元気だからと様子見をせずに早めに病院を受診しましょう。
鳥を診察してくれるかかりつけ医を見つけておくといざという時に安心ですよ。
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