インコとオウムはなにが違うの?
インコもオウムもおしゃべりするし、人懐っこいし、違いがよく分からないかも。
一般的にインコとオウムは良く似ていて見分けが難しいイメージがあります。
たしかにインコとオウムはともに知能が高く、人の言葉を真似したり感情豊かで人になつくなど共通点も多いです。
ですが、実はインコとオウムで違うところもたくさんあるんです。
意外と奥が深いインコとオウムの違いや共通点について説明します。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコとオウムの違いと共通点
インコとオウムは鳥類の中ではオウム目と呼ばれる種類で、オウム科とインコ科に分かれて分類されています。
オウム目の特徴は、頑丈で独特のカーブを描くクチバシ、直立した姿勢、力強い脚と、対趾足(たいしそく)と呼ばれる前2本、後ろ2本に分かれたかぎ爪をもった足指にあります。
インコとオウムは知能の高さも共通していて、カラスやカササギと並んで鳥類最高峰です。
名前に「インコ」とついていても実は「オウム」だったり、その逆の場合があります。
有名なのは、
オカメインコやモモイロインコがオウム、フクロウオウムがインコ。
ヨウムはオウムと名前が似ていますがインコです。
まぎらわしいですね。
冠羽のないのがインコ、冠羽のあるのがオウム
冠羽のないのがインコ、冠羽のあるのがオウムです。
一目で見分けがつく分かりやすい特徴です。
冠羽は頭に生えている特徴的な羽根のことで、横にしたり広げたりできます。
オウムの冠羽は、犬や猫のしっぽのように感情を表現します。
なにかを怖がったり、興味をそそられる対象があるときに冠羽が広がります。
例外として冠羽を持つインコがヘイワインコとキゴシヘイワインコです。
オウムにはないカラフルさとインコにはない冠羽をそなえた美しいインコです。
こちらの動画はキゴシヘイワインコです。
カラフルなのがインコ、地味なのがオウム
カラフルな羽根を持つのがインコ、比較的地味な色合いを持つのがオウムです。
インコがカラフルなのは、羽根に光を散乱させる特別な組織を持っているためです。
オウムにはありません。
インコはその複雑な構造で、明るい青や緑、赤や黄色などの色彩を演出しています。
オウムは、白・黒・灰色をベースにした色合いが多く、冠羽や尾羽、頬に黄色や赤などの色彩が見られます。
インコとオウムの美しさは自然界でも目を見張るものがありますね。
大きさだけでインコとオウムの区別はできない
インコとオウムは大きさだけで区別はできません。
オウムの大きさは主に中型~大型ですが、インコの大きさは大小さまざまだからです。
インコの大きさ
インコの中で世界最小の品種はアオボウシケラインコ(体長8㎝、体重は11,5g)、世界最大の品種はスミレコンゴウインコ(体長100㎝、体重1,5㎏)です。
あまり聞いたことのないアオボウシケラインコですが、研究者によっても飼育がとても難しく生態の研究はなかなか進んでいません。
一般的に飼うことができるインコで最小品種はマメルリハ(体長12㎝、体重30g)です。
インコ最大のスミレコンゴウインコは、最も高価な鳥類とも言われています。
アメリカにある世界唯一の商業目的の繁殖センターが2016年に輸出業務をやめてしまったため、今後ますます希少価値が高くなることが予想されます。
2019年には大阪の鳥カフェでなんと1000万円以上のお値段がついていました。
オウムの大きさ
オウムの中で世界最小の品種はオカメインコ(体長約30㎝、体重85g~100g)で、世界最大のオウムはヤシオウム(体長約60㎝、体重500~1200g)です。
2019年8月に、ニュージーランドで見つかった鳥の化石が1900万年前の超大型オウムのものだと発表されました。
体高なんと1m。体重は7㎏。
「ヘラクレス・インエクスペクタタス」と名づけられました。
全ての食べ物を割ることができる頑丈なくちばしを持っていたと考えられています。
インコはオウムよりもおしゃべり上手
インコとオウムのおしゃべりについて説明します。
インコのほうがオウムよりおしゃべり上手
インコとオウムはどちらも人の言葉を覚えて話すことができますが、両者を比べるとインコのほうがおしゃべり上手と言われています。
オウムに比べるとインコのほうが明瞭に発音することが多いのです。
ただ、すべてのインコがおしゃべり上手で、すべてのオウムがおしゃべり下手というわけではありません。
話すか話さないかは、インコとオウムの性格や性別にも大きく左右されます。
日本語の「おうむ返し」の由来はオウムのおしゃべり
日本語の「おうむ返し」は、オウムが人の言葉を真似することが由来となっています。
オウムが由来の言葉があるのはすごいばい
オウムが日本にもたらされた最古の記録は、なんと飛鳥時代。
西暦647年です。
江戸時代には将軍家や大名家で愛され、庶民には見世物小屋で大人気だったそうです。
インコとオウムの寿命
インコとオウムは、品種によってはかなり長生きです。
インコの寿命
インコの寿命は、品種によって差があります。
代表的なインコの寿命はこちら。
- セキセイインコ 5~10年
- サザナミインコ 6~10年
- コザクラインコ 10~15年
- ウロコインコ 10~20年
- マメルリハ 10~20年
- ヨウム 50~60年
- スミレコンゴウインコ 50~60年
大型インコは長生きばい
場合によっては飼い主さんよりも長生きする場合があります。
終生飼育を考えると将来的な準備が必要な品種です。
オウムの寿命
ペットとして飼われている主なオウムの寿命はこちら。
- オカメインコ 12~20年
- モモイロインコ 約40年
- キバタン 約40年
- タイハクオウム 40~60年
大型のインコと同じく大型のオウムは総じて長生きです。
アメリカの動物園で飼育されていたクルマサカオウムのクッキーは、2015年に82歳になり世界で最高齢のオウムとしてギネスブックに登録されました。
残念ながら83歳で亡くなってしまいましたが、クルマサカオウムの平均寿命は約40年。
そう考えると、びっくりするほど長生きです。
まとめ
インコとオウムは似ているところも多いですが、違うところもたくさんあります。
一番わかりやすい見分け方のポイントは冠羽があるかないか。
冠羽があるのはオウムで冠羽がないのがインコになります。
ただ、どちらも感情表現が豊かで人によくなつく点は同じです。
インコとオウムはどちらも人間の素敵なパートナーとして、飼い主さんの人生を豊かにしてくれるでしょう。
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