インコの体調が急に悪くなったり、昨日まで元気だったインコが突然、落鳥してしまう原因が身近にあります。
中には数分で死亡してしまう恐ろしいものまで。
インコがいる部屋に置いてあるものや、何気なく使っているものがインコを危険にさらしているかもしれません。
インコに健康で長生きでいてもらうために、ぜひ知っておくべき危険なものを紹介したいと思います。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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意外と知らない観葉植物の危険
今はどこの家庭にも一つは置いてある室内用観葉植物、そのほとんどの観葉植物には毒性があります。
観葉植物は日当たりの良いリビングの窓際や、テーブルの上などに飾っている方がほとんどだと思います。
インコは自然界ではほとんどを木の上で過ごしています。なので本能的に観葉植物の方へ飛んでいってしまうこともあります。
またインコは何にでも興味を持ち、いろいろなものを齧ります。
インコが知らずに観葉植物を齧ってしまう事故も発生しています。
毒性として表示されていない観葉植物でも、インコにとって安全とは言えません。
放鳥時は観葉植物に接触しないように、最新の注意を払いましょう。
ポトスなど最もポピュラーな観葉植物にはシュウ酸カルシウム結晶が多く含まれています。
この成分をインコが摂取することにより、気管支系に炎症を生じ呼吸困難を引き起こし、最悪の場合は落鳥してしまう可能性があります。
重金属による危険
重金属の中で、最も頻発しているのが急性の鉛中毒症です。
家の中には、意外と知らない鉛を使ったものがあるんです。
その鉛を放鳥中にインコが誤って食べてしまい重篤な鉛中毒で落鳥するケースが増えています。
鉛中毒の原因となるもの
- アクセサリー
- カーテンウェイト
- 鉛を使ったベル
- バッテリー
- 鉛が入った塗料
- 電球の基部
- 釉薬をかけた陶器
- 漆喰
- ステンドグラスの継ぎ目
- 釣りに使う錘(おもり)
【症状】
溶血症状:赤血球が壊れ便が濃緑色や、尿がピンク色になり症状が重い場合は予後が不良であることが多い
神経症状:食滞や便秘、吐血や嘔吐、足麻痺、パニックや興奮、凶暴化、重篤な場合は痙攣などのさまざまな神経症状が生じます。
その他にも消化器症状、腎不全症状が生じます。
空気の危険
テフロン(ポリテトラフルオロエチレンガス)の危険
テフロン使用のフライパンや鍋の表面には、焦げ付き防止にフッ素化炭素樹脂が使用されています。
この表面が中火以上で加熱されたり、空焼きされることによって毒性のガスを排出します。
テフロンはフライパンだけではなく、アイロンやヒーターなど様々な製品に使用されています。
この毒性のガスをインコが吸い込むと数分で症状が現れ、数十分で死亡してしまうほどとても危険なガスです。
十分に換気をしていても、ガスは見えないし匂いもありません。
1階のキッチンでテフロン加工された新品のフライパンを使用して、2階のインコが落鳥した事例もあります。
インコを飼っているおうちでは、テフロン加工された製品は使用しないのが一番です。
タバコの危険
タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が含まれています。
この有害物質をインコが吸い込むことにより、興奮や嘔吐、下痢、発作などの中毒症状を引き起こし突然死する可能性があります。
インコがいる部屋では喫煙しないようにしましょう。
殺虫スプレーや蚊取り線香などの殺虫剤の危険
夏場、キッチンにコバエがいるとついつい殺虫スプレーをふりまくりたい衝動にかられるのは私だけでしょうか。
でも、インコを飼っていると殺虫スプレーを使うわけにはいきません。
理由は、殺虫スプレーに含まれる「フロンガス」このガスをインコが吸い込むことにより、中毒をおこし数時間もしないうちに落鳥してしまいます。
また、蚊取り線香のように煙が出るものも危険です。
みなさんはどのような虫対策をされていますか?
我が家のコバエ対策は電気でおびき寄せて吸着する「ムシポン」を使用しています。匂いも煙も出ないので安心して使えます。
次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)の危険
家庭用品として昔から使用されてるキッチンハイター。
次亜塩素酸ナトリウムに含まれる塩素は、比重が空気よりも重いため、床に近い場所に置かれたケージの中のインコが吸引してしまう可能性があります。
低濃度では消毒効果も高く安全性もありますが、高濃度で使用しインコが吸い込んでしまった場合、数分で落鳥します。
また、ケージの消毒などで近くにインコがいる場合や、匂いが残っているうちにケージに戻すのも危険です。
使用する場合は、濃度をきちんと確認し低濃度で使用しましょう。
柔軟剤
今は、生活に欠かせない柔軟剤、新商品もどんどん開発され進化しています。
柔軟剤がインコに危険なら使っちゃいけないの?って思ったのではないでしょうか。
すべての柔軟剤が危険なのではなく、とてつもなく匂いがどぎついやつありますよね。
その、どぎつい匂いによってインコの体調が悪くなったケースもあります。
シャンプーやボディーソープなどはさほど気にしなくても大丈夫ですが、化学薬品系の匂いがキツイものは使用しないほうがいいでしょう。
マ二キュアや除光液も避けてください。
昔は有毒ガスや一酸化炭素を確認するのに鳥を使っていました。
鳥がすぐに落鳥すると「危険」だと確認していたくらい鳥は匂いに敏感です。
アロマやお香
昨日まで元気だったインコが今朝になったら落鳥していた。
理由は、寝る前に使用したアロマやお香が原因と言われています。
柔軟剤と同じで、匂いがきついものや煙が出るものでインコの体が刺激を受け体調不良を引き起こし、落鳥したと考えられています。
インコがいる部屋でアロマやお香を使用するのはやめましょう。
まとめ
体の小さなインコは、ちょっとしたことで命を落とす危険性があります。
飼い主さんがきちんと把握しておくことで、未然にインコを危険から守ることができます。
でも、あまりにも気にしすぎてインコとの生活でストレスを感じるようでは、楽しいインコライフを送ることはできません。
人もインコも両方が楽しく快適に過ごせるよう、工夫していくことが一番だと私は思っています。
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