インコにパンをあげても大丈夫?
バターやジャムのついていない食パンならインコにも少しくらい食べさせてもいいのかな?
インコにパンを食べさせてはいけません。
菓子パンや総菜パンに限らず、食パンやフランスパンといったあまり味のついていないパンであってもインコにはダメなんです。
それはインコの消化器官がパンの消化吸収には向いていないから。
インコにパンを食べさせると病気になってしまう場合もあるんです。
ここでは、どうしてインコにパンを食べさせてはいけないのか、食べてしまった場合はどうすればいいかについてご紹介します。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコにパンを食べさせてはダメな理由2つ
インコにパンを食べさせてはダメな理由を2つ説明します。
インコにとってパンはそのう炎になる原因です
インコにとってパンはそのう炎になる原因です。
インコの「そのう」とは
そのうとは、インコの食道の一部が膨らんで作られる食べ物の一時貯蔵庫です。
そのうの中に貯められたエサは、温められて水分によってふやかされますが、そのう自体にエサの消化能力や吸収能力はありません。
食べたエサはそのうを形成する筋肉の収縮によってかき混ぜられ、食道を通じてインコの胃に運びこまれます。
- セキセイインコ:2~3ml
- ラブバード:3~4ml
- オカメインコ:6~12ml
挿し餌をした直後のヒナのそのうは膨らんでいて指で触ると分かりやすいですよ。
そのうのかわいい膨らみも成鳥になるにつれて小さくなるばい。
ちょっと寂しい気もするばい。
インコのそのう炎とは
そのう炎とは、インコのそのうで起こる炎症です。
そのう炎の原因は、
- 細菌、ウイルス、真菌(カビ)や寄生虫といった感染症
- ビタミンAの欠乏、外傷、異物、やけどやシュウ酸カルシウムの摂取
が考えられます。
そのう炎の症状は
- 食欲不振
- 吐き気や嘔吐
- 下痢
- 元気がない
- 体重減少
- 頻回なあくび
- 特有のにおい
といったものになります。
炎症が食道やそのうの筋肉の収縮を困難にしてしまうため食べたエサが胃に運ばれず、食滞という病気になってしまうケースも。
そのう炎の原因が真菌(カビ)などの場合は、食滞によってそのうの中が菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、ますますそのう炎が悪化してしまいます。
エサを食べても胃に運ばれずに栄養にならないなんて怖すぎるばい。
パンが原因でインコがそのう炎になる理由
多くのインコは加熱処理されていないヒエ、アワ、キビ、エン麦やカナリーシードなどを主食としています。
この種子に含まれるデンプンは加熱されていない生のデンプンですが、インコにとって生のデンプンは何の問題もなく消化吸収することができます。
生のデンプンを消化しにくい人間とは逆ですね。
パンの主原料は小麦粉ですが、小麦粉は加熱するとデンプンが糊化(アルファ化)するためインコにとって消化しにくい食べ物になります。
パンのように糖度が高い食べ物は、そのうのなかに長時間置かれると真菌(カビ)が繁殖しやすく腐敗しやすくなってしまいます。
そのためインコがパンを食べて食滞を起こした場合、真菌(カビ)によるそのう炎になりやすいのです。
もともとインコの体の中にはカンジダ属の真菌(カビ)が常在菌として住んでいます。
普段は大人しくしているカンジダですが、インコの免疫力が低下したりパンなど糖度が高い炭水化物が消化されずにそのうに残っていたりすると増殖してカンジダ感染症を引き起こすことがあります。
パンだけではなく炊いたご飯、パスタやそばなどにも注意が必要です。
パンに含まれる添加物はインコに良くありません
スーパーやコンビニなどで手軽に買えるパンには、低価格でおいしいパンにするため保存料などの添加物が入っているものがほとんどです。
パンに含まれる代表的な添加物は「乳化剤」「イーストフード」「V.C(ビタミンC)」「ショートニング」「ソルビン酸カリウム」などでしょうか。
こういった添加物は一度に大量摂取しなければ人体の健康に影響しないとされていますが、インコにも影響がないかは分かりません。
インコに害がないと分かっていない食べ物を与えるのはやめましょう。
無添加のパンであっても、基本の原材料は小麦粉に酵母、砂糖、塩、バターです。
糖分、塩分や油脂分を考えるとインコ向きではありません。
インコがパンを食べてしまった場合
インコがパンを食べてしまった場合はどうすればいいかを説明します。
インコがパンを食べてしまった場合
インコがパンを食べてしまった場合、慌てずにまずはインコの様子をみましょう。
パンはアボカドなどと違ってインコに毒性のない食べ物です。
インコはパンなどの加熱した炭水化物を消化しにくいだけで消化できないわけではありません。
パンを食べたインコがいつも体調を崩す訳ではないのです。
パンくずをつついたくらいの場合は経過を観察してください。
インコの食欲がなくなったり嘔吐、下痢など体調不良があらわれたり、飼い主さんから見ていつもと違う様子が見られたら早めに動物病院で診てもらいましょう。
インコは一度パンを食べると味を覚えてしまいます
少しだからとインコにパンをあげたり、食べこぼしのパンくずを食べてしまったインコはパンの味を覚えてしまいます。
もしインコがパンの味を気に入ったら、飼い主さんがパンを食べるたびにインコが食べたがるかもしれません。
飼い主さんは放鳥中にパンを食べるのはやめてパンの食べこぼしにも注意しましょう。
インコにかわいくおねだりされるとちょっとくらいあげたくなるけど我慢しなくちゃですね。
最近ではインコもおいしく食べられる「バードブレッド」がありますよ。
バードブレッドはインコ用のパンで、専用のミックス粉やレシピ本などが発売されています。
ハリソン社から発売されているバードブレッドミックスはハリソン社のペレットを使っているため、人間の食べ物を食べたがるインコやペレット食への移行の足掛かりにぴったりとのこと。
材料は、こちらのミックス粉に卵2個と高品質な油とお水があれば簡単に作れます。
こちらの本にはバードブレッドのレシピが載っています。
まとめ
インコにパンを食べさせるのはNGです。
パンの主原料の小麦粉は加熱するとインコにとって消化しにくく、そのう炎の原因となってしまうことがあります。
インコが少量のパンを食べたからといってすぐに病気になるわけではありませんが、食欲の低下や下痢など普段と違う様子が見られたら早めに動物病院で診てもらいましょう。
最近ではインコ用のパン「バードブレッド」のミックス粉やレシピ本も売っています。
人間の食べ物を食べたがるインコにおすすめです。
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