犬や猫にチョコレートは有害って聞いたことがあるけどインコにも危険なのかな?
もしインコがチョコレートを食べたらどうしたらいいの?
インコにとって、チョコレートは有害で危険な食べ物です。
多くのチョコレートの原料であるカカオ豆に、インコにとって有害なカフェインとテオブロミンが含まれるためです。
毎年バレンタインデーのある2月になると、動物病院にチョコレートの誤食による中毒症状でやってくるペットが多くなるんだそう。
チョコレート好きな飼い主さんには注意が必要ですね。
こちらではインコにチョコレートが危険な理由や、チョコレートをインコが誤食してしまった場合の対処法など詳しく説明します。
私はウロコインコを中心としたブリーディングをしてます。
この記事は専門書からの情報と私の経験から書いてます。
資格は「愛玩動物飼養管理士」を持ってます。
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インコがチョコレートを食べたときの症状と対応
インコがチョコレートを食べてしまった場合の症状と対応を説明します。
インコがチョコレートを食べたときの症状
インコがチョコレートを食べると以下の症状が数時間以内に出ることがあります。
- 高血圧、不整脈、全身のうっ血などの循環器障害
- けいれん、興奮状態、呼吸の異常、昏睡状態などの中枢神経障害
- 嘔吐や下痢、胃からの出血による黒色便などの胃腸障害
インコがチョコレートを食べたときの対応
基本的にインコがチョコレートを誤食した場合、専門の動物病院でしか対応、治療はできません。
インコがチョコレートを食べてしまったら、飼い主さんは一刻も早く動物病院に連絡しましょう。
食べた量やインコの既往歴によってはインコが死んでしまうことも。
動物病院でもチョコレートの解毒薬はないため、治療は対症療法が中心です。
チョコレートを食べてから時間がたっていない場合は、そのうの洗浄や胃洗浄、循環障害や中枢神経障害が出ている場合は強心剤や鎮静剤などの薬剤での治療が進められます。
受診の際には、インコがチョコレートをいつ食べたのか、食べた量、チョコレートの種類を答えられるようにしておきましょう。
インコに危険なチョコレート成分2つ
多くのチョコレートは、カカオ豆から作られたカカオマス、ココアパウダーやココアバターを原料としています。
このカカオマス、ココアパウダーに含まれるカフェインとテオブロミンという二つの成分が、インコに中毒症状を引き起こす原因となっています。
インコに危険な成分1:カフェイン
カフェインとは、コーヒー、ココア、コーラ、紅茶、緑茶や栄養ドリンク、チョコレートなどに含まれる成分の一つで有機化合物の仲間です。
- 中枢神経系を興奮させ眠気を覚ます効果がありますが、カフェインの取りすぎで不眠症になることも。
- 心臓の筋肉の収縮量を増やして体の血行を良くしますが、カフェインの取りすぎで心拍数の増加や不整脈などが引き起こされるおそれもあります。
- 腎臓への血流が増えるため、腎臓に尿の生成を促進させ利尿作用を高めますが、腎臓に負担をかける原因にもなり得ます。
- 胃酸の分泌を促して胃の食べ物の消化を促進しますが、カフェインの取りすぎで胃粘液と胃酸のバランスが崩れることもあります。
カフェインは風邪薬にも無水カフェインとして配合されるほど人体に対して強い作用を持っています。
そう考えると、人間よりはるかに体重の軽いインコに重大な影響を与えてしまうのも納得ばい。
インコに危険な成分2:テオブロミン
カカオ豆のほか、マテ茶やガラナなどに含まれる苦みと香り成分です。
一般的に人間には有害ではありませんが、テオブロミンの代謝速度が遅いインコにとってはとても危険です。
- 血管に作用して血管を広げることで血流の量を増やし、体温を上昇させることがあります。
- 血流が増えるためカフェインと同じく利尿作用があります。
- 気管支を広げる作用があるため咳を鎮める効果がありますが、すでにぜん息等の薬を服用中の人はテオブロミンの取りすぎに注意が必要です。
- 幸せホルモンとも言われる脳内ホルモン「セロトニン」の合成を助けてストレスを軽減します。
テオブロミンも以前は利尿薬、血管拡張薬などとして使われていました。
カフェインと同じく人間にとっても取りすぎは体に良くない成分ばい。
インコに中毒症状を引き起こすチョコレートの量
一説によるとインコがチョコレートを食べて中毒症状を起こすのは、
- ダークチョコレートの場合、インコの体重の2%前後
- ミルクチョコレートの場合、ダークチョコレートの2~3倍の量
と言われています。
この場合の、インコにチョコレートの中毒症状を引き起こすチョコレートの量をまとめました。
中毒量インコの種類 | 平均体重 | チョコレートの種類 | 中毒量 |
---|---|---|---|
セキセイインコ | 30g~40g | ダークチョコレート | 0.6g~0.8g |
ミルクチョコレート | 1.2g~1.6g | ||
ウロコインコ | 60g~85g | ダークチョコレート | 1.2g~1.7g |
ミルクチョコレート | 2.4g~3.4g | ||
コザクラインコ | 45g~55g | ダークチョコレート | 0.9g~2.75g |
ミルクチョコレート | 1.8g~5.5g | ||
ボタンインコ | 40g~50g | ダークチョコレート | 0.8g~1.0g |
ミルクチョコレート | 1.6g~2.0g | ||
オカメインコ | 85g~100g | ダークチョコレート | 1.7g~2.0g |
ミルクチョコレート | 3.4g~4.0g |
ダークチョコレートは、カカオマスが40%から60%のチョコレート、ミルクチョコレートはミルク(乳製品)が入っているチョコレートのことをいいます。
ちなみにダークチョコレート1gは大体これくらいの大きさばい。
メーカーによって違うので参考程度にするばい。
もちろん、お酒に強い人弱い人、カフェインに強い人弱い人がいるようにインコにも体質があります。
より少ない量で中毒症状が出る場合もありますので、チョコレートの誤食にはくれぐれも注意してください。
最近では、ポリフェノールの健康ブームもあって高カカオチョコレートが人気です。
高カカオチョコレートはカフェインとテオブロミンの含有量も多く、インコにとってより危険性が高いチョコレートです。
インコが絶対にいたずらできないところにしまいましょう。
インコとホワイトチョコレートの関係
ホワイトチョコレートも普通のチョコレートと同じくインコの誤食に注意が必要です。
通常のチョコレートは、カカオ豆から作られたカカオマス、ココアパウダーやココアバターから作られますが、ホワイトチョコレートは、ココアバターに砂糖やミルク(乳成分)を加えて作られます。
カカオマスとココアパウダーには、カフェインとテオブロミンが含まれますが、ココアバターにはカフェイン、テオブロミンが含まれていません。
そのためホワイトチョコレートにはカフェインとテオブロミンはほとんど含まれていないんです。
ですが、だからといってインコにホワイトチョコレートを与えるのはやめましょう。
一般にインコは甘いものを好みますが、ホワイトチョコレートは糖分と油脂分のかたまりです。
インコの健康にいいとは思えない成分ばい。
インコに害がないと明らかにされているもの以外、人間の食べ物をインコに食べさせるのはやめましょう。
インコのおやつには、インコ用の食べ物が安心です。
まとめ
チョコレートはインコにとって危険で有害な食べ物です。
チョコレートに含まれるカフェインとテオブロミンがインコにとって有害なためです。
ですが、飼い主さんにとってチョコレートは日常的で身近なお菓子。
インコを放鳥する際は、必ずチョコレートをインコがいたずらできない場所にしましましょう。
もしインコがチョコレートを食べてしまった場合は、家庭では様子を見ることしかできないため必ず動物病院に相談してください。
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